本稿は、私たち(AEO総研™)がAI推薦計測エンジン CWO を用いて、日本市場の50を超えるカテゴリ・約2,000ブランドを継続観測した記録のうち、2026年7月と2026年8月の差分を扱ったものです。
対策は、打った時点のAIに合わせたものになる
AEO対策・LLMO対策として、自社サイトの記述を整える、第三者メディアでの言及を増やす、といった施策が行われています。いずれも、その時点でAIが参照しているサイトの傾向を前提にした打ち手です。
前提が動けば、打ち手の効き方も変わります。問題は、AIの側がいつ何を変えたかを公表しないことです。企業から見えるのは結果だけであり、変化そのものは観測しなければ捉えられません。
質問も方法も変えず、引用元だけが増えました
AEO総研は毎月、同じ質問文をAIに投げかけ、返ってきた回答と引用元を記録しています。有効回答数は2026年7月が6,285件、2026年8月が6,285件で同数です。質問の数も、集計方法の版も、対象のAIも変えていません。
変わったのは引用元の数です。2026年7月は57,393件、2026年8月は127,033件。1回答あたりでは9.1件から20.2件になりました。AIが回答を1つ組み立てる際に参照するサイトの数が、1か月で2倍以上に増えた計算になります。
増加分は、大手比較サイトに向かいませんでした
2026年7月に最も多く引用されたのはmy-best.comで2,839件。2026年8月は5,514件に増えました。ただし全体が2.2倍に膨らんだため、引用元全体に占める割合は下がっています。他の大手比較サイトや家電量販店のサイトでも同様でした。件数は横ばいから微増でも、比重は低下しています。
代わりに比重を高めたのは、個人が書いた記事や体験談を載せるサイトです。引用元サイトの数(重複を除く)は約3,200から約4,900に増えましたが、内訳を見ると2026年8月に新しく登場したサイトが約2,600、逆に2026年7月にあって消えたサイトも約800あります。新規登場のうち最も件数が多かったのはamazon.co.jpの749件で、2026年7月には一度も現れていませんでした。
上位サイトへの露出を前提に組み立てた対策は、この1か月で前提が変わったことになります。
何が変わったのかは、外からは分かりません
AI側で何が起きたのかを、観測する側から特定することはできません。AEO総研は質問も方法も変えておらず、AI側の内部的な変更とみるのが自然ですが、その内容は公表されていません。発表を待っても分からず、自社サイトのアクセス解析を見ても分かりません。
分かるのは、同じ質問を毎月投げ続け、返ってきた引用元を並べたときだけです。
だから、観測を続けています
AEO対策・LLMO対策は、施策を打って終わりにはできません。打ち手の前提であるAIの側が、企業の関与しないところで動くからです。対策を有効に保つには、AIが今どこを参照しているかを継続して把握する必要があります。
- 前提は動きます。同じ質問・同じ方法でも、1か月で引用元が2.2倍になりました。
- 動き方は一様ではありません。増えた分は大手比較サイトではなく、個人発信の面に向かいました。
- 変化は公表されません。観測しなければ、前提が変わったことに気づけません。
- だから継続します。今回の2.2倍が一時的なものか定着するのかも、来月以降の観測で確かめます。
自社は、いまAIに読まれているでしょうか。
その問いから始まる無料の診断ツール「CWO Site Audit」を公開しています。観測から始まる、というだけのものです。
Site Audit を試す →本稿は、2026年7月と2026年8月の月次差分を扱ったものです。サイト内の他のノートが示す2026年5〜8月(累積・本番)の累積値とは集計の範囲が異なります。個別ブランドの順位、業種別の詳細には踏み込んでいません。
本稿の数値は、CWO が日本市場の50を超えるカテゴリ・約2,000ブランドを対象に、出典を提示するタイプのAIへ繰り返し問い、回答と引用元を記録したものです。引用元の総数そのものが変わったため、2026年7月と2026年8月の件数を直接並べても増減の意味は読み取れません。比較が可能なのは全体に占める割合です。本稿の数値を引用される際はご留意ください。